雷にうたれる

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    田辺さんは内臓障害を持っている方。

    とても温和で、明るい方である。



    訪問時、体調をうかがっていると、

    田辺さん「医者は、私のような病気になるということは、『雷にうたれたと思ってください。』と言うんですよ。」

    あおな(雷にうたれる?

    どういうこと?

    雷にうたれたら、死んでしまうじゃない!

    「雷にうたれるって、どういう意味ですか?」

    田辺さん「どんな状態になるか、わからないということですよ。」



    仕事を終えてから考えてみた。

    雷にうたれる人というのは、その人に落ち度があったわけではない。

    また、雷にうたれても、軽傷ですむ人もいれば、亡くなる方もいる。

    違う言い方をすれば、

    「交通事故に巻き込まれる。」とも言える。

    このいい方なら、あおなにも理解できる。



    田辺さんとあおなとの会話・・・。

    まるで大人と子どもの会話だ。






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    裸で道を渡る

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      上司さんと2人体制でお客様を訪問中。

      お客様は体が不自由だが、その方の奥様は元気である。

      奥様と上司さんとの雑談中。



      奥様「私、健康診断何十年も受けてないのよ。」

      上司さんは元看護師。

      健康診断の重要さはよーくわかっているはずである。

      あおなは、「それはいけませんね。」とか、「健康診断は毎年1回受けてくださいよ。」などというのかと思った。

      しかし、上司さんの反応はまったく違った。

      上司さん「健康な人って、そうなんですよね。」

      奥様「前、健康診断受けたときね、市役所の前の空き地に検診車が来たの。

      裸で、道路渡らせられたのよ。」



      あおなの頭の中に、何人もの受診者がすっぱだかで横断歩道を渡っている映像がうかんだ。

      いったい、どういうことなんだろう?



      でも、上司さんは、すぐ状況がわかったようで、

      上司さん「そりゃぁ、かんべんしてほしいですよ!

      そんなの受けたくないですよね。」

      と即答していた。



      あおなにも、徐々にわかってきた。

      健康診断の受付と検査着の着替えを市役所で行う。

      検査着は薄くて、一か所だけをひもで留めるようなものが多い。

      その格好で、道路を渡って検査車まで行かなくてはならなかったということらしい。

      検査着がひらひらするので、太ももが見えそうで、誰でもいやだろう。



      もし、あおなが上司さんの立場だったら、スムーズな会話ができなかったろう。

      奥様にしたら、

      (なんか話しにくいな。)

      (いちいち説明するの面倒。)

      と思われたかもしれない。





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      開けっ放し

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        あおなの勤務先、高齢者センターの出入り口は、厳重に施錠してある。

        職員は、1人1つ鍵を持ち、出入りのたびに施錠する。



        ヘルパー休憩室にて。

        あおなも、ヘルパー1さんもこれから派遣に出かけるところであった。

        ヘルパー1さんは、ヘルパー歴10年のベテラン。

        先輩であるから、あおなも敬意を持って接している。



        ヘルパー1 「開けっ放しでいいです。」

        あおな (休憩室から廊下へ出るドアを開けっ放しにするのかな?

        先輩の言うことには、従わないと・・・。)




        休憩室のドアをいっぱいに開き、手で押さえるあおな。

        10秒くらい押さえたところで、なんだか変だぞと思い始めた。



        ヘルパー1 「ことばが足りなかったわね。

        出入り口の鍵をかけなくてもいいというつもりだったのよ。」




        本来なら、几帳面に鍵をかけるべき出入り口。

        しかし、「数分間の違いで出入りするから、そのくらいはいいでしょう。

        鍵はかけないでおいて。」ということだったのだ。






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        エレベーターの故障

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          あおなの勤務先は高齢者センター。

          隣接して、特別養護老人ホームがあり、高齢者センターとは渡り廊下でつながっている。



          ある日、高齢者センターのエレベーターが故障した。

          高齢者センターの1階はデイ・サービス。

          利用者様がレクリエーションなどを行っている。

          昼食をとるのは、3階の食堂だ。

          車いすの方、膝痛の方などは、階段で3階まで登るのは無理だ。

          そういう利用者様に、老人ホームへ移動していただき、老人ホームのエレベーターを利用していただくことになった。

          この仕事には人手がかかるので、出勤しているホームヘルパー全員に、緊急要請があった。



          上司 「ご存じのように、エレベーターが使えません。

          デイ・サービスの職員から、利用者さんの移動を手伝ってほしいと言われています。

          派遣は、すべて時間をずらしました。

          みなさんは、老人ホームのエレベーターで、利用者さんが安全に移動できるよう、お手伝いをお願いします。」

          ヘルパー一同 「はい。」



          あおなも、お手伝いしようとデイ・サービスへ向かった。



          デイ・サービスの職員 「あおなさんには、口腔ケア(歯みがき)をお願いします。」

          あおな 「???」

          (私が頼まれたのは、利用者さんの移動のはず。

          口腔ケアなんかして、いいのかな?)


          あおなは、きびすを返すと、もう一度上司のもとへ。



          あおな 「あのー、口腔ケアをやってと言われたんですけど、いいんですか?」

          上司 「えっ?! もちろんいいわよ。口腔ケアは大切なことよー。」



          上司の命令の内容は、

          デイ・サービスの職員の仕事が増えるので、ホーム・ヘルパーにも、デイ・サービスの仕事を援助してほしいということだったのだ。

          援助していいのは、利用者さんの移動だけ。

          ほかの仕事の援助してはダメ、ということではなかったのだ。



          ことばを、臨機応変に理解できるようになりたいものだ。









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          致命的ミス

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            ヘルパーになってから、すぐ経験する仕事は家事援助だ。

            身体介護は、利用者様に直接触れる仕事であるから、家事援助より難しい。



            あおなが初めて経験した身体介護は、車いすを押すことだった。

            車いすの操作は、ヘルパー研修でひととおり経験した。

            でもそれから1年近く経過していたので、あおなが忘れていたことも多かった。





            車いすを押して、公園を歩いた。

            あおなが、身体介護初心者なので、上司も一緒だった。

            いつも障害物のない公園だが、その日は、つつじ祭りで様子が違った。

            たくさん屋台が出ていて、その屋台のための電源コードが地面を走っていた。



            太い電源コードの前へ来たとき、

            上司 (小さい声で)「直角、直角。」

            あおな (勢いをつけないと、電源コードは越えられないな。

            そうか、直角に越えるのか。)



            あおなは、勢いをつけ、90度の角度で電源コードに突進した。

            利用者様は体格のいい、体重のある方だった。

            電源コードに乗り上げたとき、その方の体が、前のめりにぐらりと揺れた。





            もし、体重が軽い人だったら、車いすから落ちて、ケガをしていたろう。 

            体重があることが幸いして、利用者様には何事もなかった。



            上司は、苦笑いして、

            「すみません。私の言い方が悪かったわね。」

            と言ってくださったが、内心、肝を冷やしていたろうと思う。



            普通のヘルパーだったら、あんなミスはしないだろう。

            やはり、あとさきのことを考えないあおなだから、ああいうミスを起こしたのだ。








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            まったく同じ動き

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              同行派遣というのがある。

              しごとの引き継ぎなどのために、複数のホームヘルパーが同じ派遣先に行くことだ。

              上司から、山倉ヘルパーを松田さんの家へ同行しなさいという指示が出た。

              松田さんは70代の夫婦二人暮らし。

              あおながいつも派遣に入っている家だ。

              上司 「あおなさんと山倉さんはまったく同じ動きをしてね。」

              山倉ヘルパー 「はい。」

              あおな (? まったく同じ動き? 私が風呂掃除をしている間、山倉さんも風呂掃除をするということかな?

              山倉さんは背が高いから、風呂場の上のほうをふいてもらおう。

              その間、私が洗い場や風呂桶の掃除をしよう。)



              派遣の始め30分間は、松田さんの奥様の買い物介助。

              あおな、山倉ヘルパーで、松田さんを介助しながらスーパーへ行った。

              さて、そのあと1時間は掃除だ。

              あおな 「山倉さん、お風呂の掃除お願い。」

              山倉ヘルパー 「はい。」

              山倉ヘルパーは、さっさと風呂そうじ用長靴をはいて、風呂掃除を始めてしまった。

              風呂そうじ用長靴は1人分だけ。

              あおなは風呂場に入れない。

              あおなはしかたがないので、洗面台の掃除をしていた。



              そのとき、あおなはひらめいた。



              あおな (『まったく同じ動き』というのは、掃除をするときは別の場所の掃除をするということなのかもしれない!)

              あおなはトイレ掃除、掃除機かけをした。

              あおなのひらめきは、正しかったようだ。



              どうやら、あおなはことばを字義どおりに受け止めていたようだった。




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