大人を逃げるな。悪役になろう。(AC JAPAN 2002年広告より)

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    あおなたち一家が、新築の一戸建てに引っ越して間もなくのこと。

    保育時間は夕方4時まで。

    小学校低学年だった長男は、午後2時ごろには家に帰っていた。

    小学生のほうが、保育園児より早く家に帰ってきてしまうのだ。

    当時、保育園の役員をしていたあおなは、午後ずっと保育園で過ごしていた。

    役員会が終わり、二男を連れて帰宅し驚いた。

    うちのなかがめちゃくちゃだ。



    ふすまは破かれているだけでなく、その中の木の骨組みまで折れている。

    トイレの床には、水が2センチくらいたまっている。

    1階にあったはずのイスが、なぜか2階まで運んである。



    小学校2年生だった長男に

    「どうしたの?」ときいてみても、

    「ずっとファミコンしてて、知らなかった。」

    とらちが明かない。



    トイレに水は、近所の南くんという同級生がやったらしいと聞きだし、南くんの家へ行った。

    南くんの母親が出てきたので、事情を説明し、

    「南くんがやったのだったら、雑巾を持ってきて、拭いてほしいです。」

    と言った。

    南くんは泣きながら出てきた。

    シャワレットのボタンを、

    「なんだろう。」と思い押したそうだ。

    水が出てきたので、びっくりして家へ帰ってしまったのだという。



    この日、もう一人の小学生がうちに遊びに来ていた。

    上級生の小池くん。

    南くんの母親は、あおなに小池くんがどこに住んでいるか説明した。

    自分の子どもだけが叱られるのはおかしいと思ったのだろう。



    でも、もうあおなは限界だった。

    会ったこともない小池くんを探し出し、叱る元気は残っていなかった。

    家に帰り、後片づけをするので精いっぱいだった。



    あおなの口のきき方がきつかったのだろうか?

    小池くんも、探し出して叱るべきだったのか?

    そもそも、他人の子どもを叱るのがいけなかったのか?



    南くんの母親に、あおなは何年間も無視されるようになった。





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    女性に対して言わないほうがよいこと

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      あおなたちヘルパーは、休憩室で、お弁当を食べる。

      ヘルパー1 「ヘルパー3さんて、いつもお弁当が少ないよね。」

      ヘルパー2 「おにぎり一個だけだよね。」

      あおな 「そんなことないよ。

      ヘルパー3さんはきゃしゃな女を装っているだけだよ。

      デザートもがぶがぶ食べてるもの。」



      あおなには、悪気はまったくない。

      「きゃしゃな女を装う」というのは、前日きいたラジオで覚えたフレーズだった。

      おもしろいこと、みんなを笑わせるようなことを言おうと思っただけである。



      ヘルパー3 (激怒して)

      それはあなたの思い込みでしょ!

      デザートは初めから食べるつもりで買ってるの!

      あおな 「???」



      女性に対して、「たくさん食べる」に類する言葉は、言わないほうがよさそうだ。





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      医師と保健師の言葉に傷つく

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        20年ほど前のことだ。

        あおなは、夫のアルコール依存症を疑い、M市の保健所の酒害相談に通っていたことがある。



        毎月、精神科医1人と保健師2人が、座談会方式で話を聞いてくれる。

        ある日、男性精神科医と話しをした後のことである。

        あおなが具体的にどんな相談をしたか、医師がどんなアドバイスをしてくれたかは覚えていない。

        しかし、あおなは、その酒害相談に行った後、気分がすっきりしなかった。

        心が何かもやもやとしていたのだ。

        悲しいような、さびしいような・・・。



        ふとあおなは思った。

        これは、「怒っている」という状態なんではないか。

        あの精神科医の言葉に、あおなは傷ついたのではないか。



        翌月の酒害相談で、あおなは思いきって言ってみた。

        あおな 「この前、先生とお話ししてから、とてもつらかったです。

        先生に傷つけられたように感じます。」

        医師 (びっくりして)

        「でも、あおなさん、傷ついたような表情しませんでしたよ。」

        あおな 「・・・。」

        あおなは、この時も、なんて言っていいかわからなかったので、黙っていた。

        でも、今ならこう言うだろう。

        「あたりまえです。

        そのときは、なにを言われているかわからなかったんです。」

        医師 「あおなさんは、上品そうにみえるけど、すごく感情が激しいんですね。」

        あおな 「・・・。」

        この時も、なんて言っていいかわからなかったので、黙りこむあおな。



        2人の保健師は医師の後ろで、あおなのことをひそひそと

        「こわいわねぇ。」と言っていたので、なおさら傷ついた。

        あおなは、怒りを隠して、平静を装っていたわけではない。

        その逆だ。

        怒りという感情をやっと見つけて、それを

        (ここなら、話しても安全だろう。)と思って保健所で話したのだ。



        アルコール依存症の人を

        「妻の性格が悪いから酒を飲むんだ。」

        という方がいらっしゃいますが、もうやめにしませんか。



        お酒の好きな人は、なににでもかこつけて飲むものです。








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        ヘルパー拒否にあう

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          この記事は「育児パパのあったか・やさしい発達障害談義」4月19日を参考にさせていただきました。


          http://ameblo.jp/kanrinin-hp/day-20110419.html

          トラックバックができないので、すみません。




          ホームヘルパーになるには、研修を受講する必要がある。





          この研修で、あおながたたき込まれたことの1つに、利用者様にお茶一杯でももらってはいけないということがあった。

          実際は、初回訪問の時はお茶を出してくれる利用者様が多い。

          しかし、事情をお話しすると、次回からお茶は出てこなくなることがほとんどだ。




          2010年12月にあおなが担当した塚本さんは、違っていた。

          塚本さんは、他社のヘルパーを断って、あおなの勤める事業所で担当するようになったという経緯がある。

          上司から、

          「ヘルパーが断られるというのは、よっぽどのこと。

          難しい人だと思うから、塚本さんの要求は、何でも断らないようにして。」

          と言われていた。



          塚本さんの援助内容は、買い物と掃除だった。

          買い物を終え、掃除をしようとすると、

          塚本さん 「お茶でも飲みましょうよ。」

          あおな 「ありがとうございます。

          でも、私たち、いただけないんです。

          厳しいきまりがあるんです。」

          といって、どんどん掃除にとりかかっていた。

          塚本さんは、それが気に入らなかったらしい。




          ほどなくして、あおなは、

          「あおなさんは電話機を床に落とした。」

          というクレームをつけられ、塚本さんのシフトをはずされた。



          新しく塚本さんを担当したヘルパーは、あおなより要領がよく、

          「お茶を飲みましょう。」

          と言われれば飲み、

          「私が作ったプリンよ。食べなさい。」

          と言われれば食べているそうだ。



          あおなの仕事は、ホームヘルパー・ステーションの収益を上げること。

          研修で、「お茶は飲んではだめ。」と教えられたからといって、それを死守する必要はないのだ。



          育児パパさんの「よくない生真面目」を発揮してしまった。


          不適切な発言 4

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            月に1度のヘルパー会議にて。

            千田さんは重度の認知症。

            一戸建ての家で、一人暮らし。

            子どもさんは複数いるが、千田さんの世話はせず、ヘルパーに任せている。

            2階には、3匹の犬もいて、ケージに入れっぱなしにされている。

            犬にえさをやるために、子どもさんが毎日訪問しているような状態である。



            上司 「千田さんのうちは、なんでゴキブリが多いんだろうね?」

            ヘルパー一同 「・・・。」

            あおな 「犬がいるからじゃないですか?

            犬を室内で飼っていれば、ゴキブリでますよ。

            えさの食べ残しや水があるわけだから。」

            ヘルパー一同 「・・・。」

            ヘルパー1さん (思い切ったように)「そんなことないですよ。

            うち、犬を家の中で飼っているけど、ゴキブリでないですよ。」



            今、動物を室内で飼っている人は多い。

            ヘルパーの中にも、きっと飼っている人が何人かいるに違いない。

            動物を室内で飼えば、ゴキブリが出ることもあろう。

            また、ヘルパー1さんのように、気をつけていてゴキブリが出ないという家もあるだろう。

            とにかく、あおながしゃしゃり出て発言しなくても、みんな分かっているのだ。



            この時、あおなは自分の言葉がヘルパー1さんを傷つけたことに気づいた。

            そして、数日後、一生のうち、今までとったことのない行動に出た。

            謝ったのだ。

            あおな 「ヘルパー1さん、わたし、この前の会議のとき、考えなしに発言して、申し訳ありませんでした。」



            不適切な発言をしてしまったら、謝ろう!






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            子どもに教わる

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              4月に高校生の長女(17歳)の保護者会があった。



              あおなは保護者の方の中に特に親しい人はいない。

              でも、今までの保護者会で、何人かの保護者の方とはことばをかわしてきた。

              人の顔を覚えるのが苦手、という自分の特性をはっきり自覚した今、その方たちから、

              「あら? あおなさん、私のこと無視したわ。」と思われないか心配だ。



              だから、まわりの人になるべく気を配りながら教室に入り、席に着いた。

              担任教師の話が終わり立ち上がると、長崎さんが声をかけてきた。

              長崎さんの子どもは、あおなのうちへ来たことがある。

              長崎さん 「うちの子がおじゃまして、お世話になりました。」

              あおな 「いえ、とんでもない。うちの子こそ・・・。」

              あたりさわりない世間話ができて、ほっとした。



              帰宅後、長女にたずねられた。

              長女 「誰かと話した?」

              あおな 「長崎さんと話したよ。」

              長女 「おかあさん、肉まんのお礼言った?」

              あおな 「・・・!」



              そうだった。

              長崎さんの子どもは手みやげに肉まんを持ってきてくれたのだった。

              有名な店のもので、とてもおいしかった。



              「お礼を言いなさい。」と教えるのは、ふつうは親の役割だろう。

              あおなには、まだ自分では気づいていない足りない部分があるのだろうか?

              暗黙のルールがわからない 2

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                ゴールデンウィークの前のこと。

                ゴールデンウィークは、ホームヘルプステーション全体がお休みをいただく。

                ただし、お客さまによっては、お休みをいただくことができず、ヘルパーが休日出勤することになる。

                介護度の重い方のおむつ替えとか清拭などは、お休みをいただきにくい。





                上司 「あおなさん、田辺さんは、お休みできそう?」

                あおな 「はい。もう、わかっていらっしゃるようでした。

                5月3日は、あおなさん休みよねって、ご自分でおっしゃってました。」

                上司 「そっかー。ありがたいよね。

                あおなさん、これから、田辺さんのうちの派遣よね?

                じゅうじゅうお礼言っといてね。

                あおな 「なにをですか?



                派遣のお休みを、田辺さんがお許しくださらない可能性もある。

                そういう時は、あおなが休日出勤しなければならない。

                また、責任者である上司も、あおなの急病などに備えて、ヘルパーステーションに待機しなければならない。

                介護度が軽くて、快くお休みの許可を下さる方は、ヘルパー・ステーションにとってありがたい存在なんだ!

                それに気がつかないとは・・・。







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                人を傷つけたくない

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                  結婚して、新居に引っ越した。

                  夫 「Mいにち新聞を取ってくれ。」



                  しばらくして、新聞勧誘員の訪問があった。

                  身なりがきたなく、おどおどした態度の人だった。



                  勧誘員 「Yみうり新聞いかがですか?」

                  あおな 「Mいにち新聞をとることになってるんで、ごめんなさいね。」

                  勧誘員 「Mいにち新聞も取り扱ってますよ。」

                  といって、申込用紙を出した。



                  その頃、あおなはまだ新聞販売店のしくみを知らなかった。

                  ただ、1つの販売店が、Aさひ新聞とNほん経済新聞などと、2つ広告を出しているのを見たことはあった。

                  それで、その勧誘員の販売店では、Mいにち新聞とYみうり新聞の両方を扱っているのかと思ってしまった。

                  だから、勧誘員の差し出した申込用紙に記入しようとした。

                  ところが、その申し込み用紙には、はっきり、

                  「Yみうり新聞」

                  と書かれていた。

                  あおな 「これ、Yみうり新聞の申し込み用紙じゃない!?」



                  勧誘員 「今、この申込用紙しかないんですよ。店に帰ったら、Mいにち新聞の申込用紙に書き直しますから。」



                  黒あおな (あやしいな。この勧誘員、うそいってるんじゃないか。)

                  白あおな (私が、ここで記入しなかったら、この勧誘員を疑っているということになる。

                       この勧誘員さんの気持ちを傷つけたくない。


                  あおなは申込書に記入した。

                  当然、翌朝から、あおなの家に配達されたのはYみうり新聞だった。

                  あおなはだまされたのだ。

                  (あおなは、この勧誘員の本名を、30年近くたった今でも覚えている。)












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                  不適切な発言 3

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                    認知症の水津様の家へ、ヘルパー1さんとうかがっている。

                    水津様には、物取られ妄想があるので、ヘルパー2人体制である。

                    「ヘルパーが私のものを盗んだ。」と言われたとしても、

                    「そんなことしてません。見ていましたよ。」と言えるようにするためである。

                    水津様は、他のヘルパーに暴力をふるったりする方。

                    だが、私とヘルパー1さんのことは気にいってくださり、今まで問題は起きていなかった。




                    ヘルパー1さん 「あおなさん、私、来週休むので水津様の家へ行けないんです。」

                    あおな 「えっ! どうしてですか?」

                    ヘルパー1さん 「家の都合なんです。」

                    あおな (いつも2人体制なのに、どうするのだろう?)

                    ヘルパー2さん 「かわりに私が行きますから。」

                    (ヘルパー1さんは、特に気に入られている。ヘルパー2さんが行って拒否されたら、どうしよう。)

                    あおな 「水津さん、だいじょうぶでしょうか? ヘルパー1さん、家の都合ってなんですか?」

                    ヘルパー2さん 「あおなさん、そういうことは、きかないものよ。」



                    「家の都合」というような抽象的なことを言われたら、さらに深くたずねるのは、やめよう。
                     


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                    致命的ミス

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                      ヘルパーになってから、すぐ経験する仕事は家事援助だ。

                      身体介護は、利用者様に直接触れる仕事であるから、家事援助より難しい。



                      あおなが初めて経験した身体介護は、車いすを押すことだった。

                      車いすの操作は、ヘルパー研修でひととおり経験した。

                      でもそれから1年近く経過していたので、あおなが忘れていたことも多かった。





                      車いすを押して、公園を歩いた。

                      あおなが、身体介護初心者なので、上司も一緒だった。

                      いつも障害物のない公園だが、その日は、つつじ祭りで様子が違った。

                      たくさん屋台が出ていて、その屋台のための電源コードが地面を走っていた。



                      太い電源コードの前へ来たとき、

                      上司 (小さい声で)「直角、直角。」

                      あおな (勢いをつけないと、電源コードは越えられないな。

                      そうか、直角に越えるのか。)



                      あおなは、勢いをつけ、90度の角度で電源コードに突進した。

                      利用者様は体格のいい、体重のある方だった。

                      電源コードに乗り上げたとき、その方の体が、前のめりにぐらりと揺れた。





                      もし、体重が軽い人だったら、車いすから落ちて、ケガをしていたろう。 

                      体重があることが幸いして、利用者様には何事もなかった。



                      上司は、苦笑いして、

                      「すみません。私の言い方が悪かったわね。」

                      と言ってくださったが、内心、肝を冷やしていたろうと思う。



                      普通のヘルパーだったら、あんなミスはしないだろう。

                      やはり、あとさきのことを考えないあおなだから、ああいうミスを起こしたのだ。








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