盗まれたファミコンソフト

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    長男としおが小学校1年のころ。

    誕生日、クリスマスには、祖父母にファミコンソフトを買ってもらっていた。

    周囲の子どもたちより、恵まれた環境だったかもしれない。



    小学生になると、交友関係も増える。

    親はだれか、どこに住んでいるのかわからない友だちも我が家を訪れるようになった。



    ある日、

    としお 「お母さん、ファミコンソフト『マリオスカート』がない。」

    あおな 「おもちゃ箱の中じゃないの?

    よく探してごらん。」


    数日後、

    としおの同級生 「としおくんの『マリオスカート』、4年生の森田君のうちにあるよ。」

    としお・あおな 「???」



    あおなは、学校時代いじめを受けていた。

    自分の子どもがいじめられたり、物を盗られたりするのは許せない。

    あおなは、連絡帳を使い、すぐ担任教諭に相談した。

    担任教諭は、ベテランの女性教諭。

    たぶん4年生森田君がどんな児童かも知っていたに違いない。



    すぐに、あおなは、森田君本人、森田君の母親、そして母親の友だちの訪問を受けた。(注1)

    森田君の母親は、憔悴した顔をしていた。

    ファミコンソフトはその場で返された。

    森田君母 「うちの子は、借りただけで、盗ったのではありません。」

    あおな (笑顔で)「森田君、としおは、森田君が持っているって知らなかったんだよ。

    借りたいなら、としおにわかるように、はっきりいってね。」(注2)



    森田君母親は、よろよろした足取りで帰って行った。



    あおなは、森田君母、母親の友だちから、無視されるようになった。(注3)



    (注1)定型発達者は、常に複数で行動するということがよくわかる事例である。

    (注2)あおなには、森田君母の言ったことがよくわかっていない。

        借りるというのは所有者の許可を得るということが前提ではないのか?

        でも、本当に森田君は「借りた」つもりだったのかもしれない。

        「森田君にきちんと教えてあげよう。」という善意から出た言葉である。

    (注3)定型発達者がしばしばとる行動で、卑劣であるとあおなは思っている。





    あおなのとった行動(学校の教諭に伝える)は、やりすぎなのでしょうか?

    教えていただけたら幸いです。

           ↓

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    生協の班会

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      賃貸マンションに住んでいた時のこと。

      家族のために、安全な食材をと、生協に加入した。

      一緒に共同購入をするメンバーは、同じマンションの住民と近くの一戸建ての主婦たちである。

      当時、生協は売上向上のために、班会を推進していた。

      メンバーのだれかの家で班会を開くと、数千円相当の試食品を提供してもらえるのだ。



      共同購入のとき、

      「班会やりたいね。」

      という話になった。

      主婦にとって、数千円の商品が無料というのは、魅力である。

      石川さんが、自宅を使ってもいいと言ってくれた。

      メンバー全員に都合のよい日取りも決めた。

      当日は、全員が一品ずつ料理の材料を持ち寄り、石川さんの台所を借りて料理することになった。



      あおなは、イワシのすり身を使ったミートローフを作るつもりで、その材料を用意していた。

      前日、同じマンションに住む津田さんが声をかけてきた。

      津田 「ミートローフって、時間がかかってめんどうよ。

          あおなさん、家で作ってきたら?」(注1)

      あおな (班会のとき作るとみんなで決めたのに、なぜ今になって自宅で作る方がいいなんていうのかな?)



      あおなは、不審に思ったが、他人にさからえないので、津田さんの言葉に従った。



      石川さんの家での班会が始まった。

      台所のすみには、瓶ビールが1ケースあった。

      あおなの家にはゲーム機があった。

      津田さんの長男が毎日ゲームをやりに来るのでうんざりしていたが、男児のつきあいには、ゲームが必要かなと思い、がまんしていた。

      石川さんの家には、男児が3人もいるのに、ゲーム機がないようだった。



      あおな 「石川さん、ゲーム機ないんですか?」

      石川 「ないのよ。子どもたち、少しさびしい思いしてるかもしれないけど、がまんさせてるの。」

      あおな (笑顔で)「・・・。ゲーム機のあるうちに上がりこんで、ゲームしてるかもしれませんよ。」(注2)



      石川さんの家での班会がなごやかに終わり、班員たちは門を出た。

      出るやいなや、石川さんに対する悪口の嵐が吹き荒れた。





      班員1 「ビール飲みたかったー。

      ビールくらい飲ませろってーの!」

      班員2 「子どもに、NHKのラジオ講座で英語の勉強させてるんだって!」

      班員3 「これから、喫茶店行って、もっと悪口いわない?」

      あおな 「あっ、私、お金持ってこなかったんです。」(注3)

      班員1 「あら、じゃあ次の機会にしようか。

      あおなさんも、朝からミートローフ焼いて、大変だったわねー。」



      あおなには、なにがなんだか、さっぱりわからなかった。

      石川さんが、班員たちに嫌われていることはよくわかった。

      でも、家に上げてもらい、台所を使わせてもらって悪口を言うのはひどいなと思った。




      (注1) 津田さんは、アドバイスを装ったこのことばで、あおなが自分の言うことをきくかどうか試している。

      あおなが素直に従ったので、あおなのことを自分の仲間とみなしたらしい。


      (注2) 無意識にあおなは、津田さんを批判してしまっている。

      この時、そばで津田さんがしぶい顔をしていたが、あおなは気づいていない。

      (注3) これは本当のことです。

      財布をもっていても、こういうことが言えることを、

      「社会的スキルがある。」といいます。









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      美容整形を受ける

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        小学校の非常勤講師をしていた時のこと。

        出勤し、校庭を通る時、受け持っていない6年生の男子児童にくすくす笑われるようになった。

        全然知らない児童である。

        すごく感じが悪いなと思っていた。



        なにかあおなの行動(歩き方とか)におかしなところがあったのだろうか?

        笑われるのは、毎日のことだったが、ある時6年生男児の群れから、

        「あいつ、ホクロが多い・・・。」

        という声が聞こえてきた。

        (教師を『あいつ』呼ばわりである。)



        その夜、鏡をつくづくと見た。

        全然意識したことはなかったが、確かにホクロは多かった。

        ホクロを切除したら、どうなるだろう?

        児童は笑わなくなるだろうか?



        非常勤講師の仕事は2月末で終わる。

        新学期まで1カ月あるので、たとえ傷の治りが遅い場合でもだいじょうぶだろう。

        あおなは、2月末を待ち、美容外科へ行き、ホクロを切除してもらった。



        あおなは4月から違う学校に勤務したが、相変わらず児童・生徒とはうまくいかなかった。



        考えてみれば、あおなのことをくすくす笑った児童の担任の顔には、あおなよりもっと大きいホクロがあった。



        ホクロのあるなしではないのだ。

        もっと大切なもの。

        それがないと、仲間とみなされないようなもの。

        あおなにはそんな何かが欠落しているようだ。








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        クラス会の幹事

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          あおなは小学校のときいじめにあっていた。

          普通は、いじめられていたら、

          「あんな子たち、大っきらい。」

          「あの子たちには会いたくない。」

          という気持ちになるだろう。

          でも、あおなには、負の感情が欠落していた。

          やられたら、やり返す、ということができない。



          あおなの小学校の卒業生は、ほとんどが隣接する私立中学へエスカレーター式に進学する。

          中2のとき、学校の宿泊施設で泊りがけのクラス会を開こう、という話になった。

          男子2名、女子2名の幹事を選んだ。

          あおなは幹事の1人になった。

          全員で4人の幹事だが、宿泊施設の予約をしたり、時刻表を見て列車を決めたり、作業したのはあおなだけだった。



          特に困ったことはなかったから、あおなには実務ができたのだろう。

          また、他の3人に対する怒りもなかった。



          宿泊施設でのクラス会は、楽しくもなかったし、いやでもなかった。



          あおなは、中2のころ、まだ生理の周期が定まっていなかった。

          山の上の宿泊施設で生理が始まって困ったが、生理用品を貸してくれる女子は誰もいなかった。








          今も負の感情が未分化なあおなに、

          ぽちっと一押しお願いします。

                   ↓

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          糸くずを取ってもらったら

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            速いし、臨機応変に進むので、なかなかついていけない定型発達者さんの会話。

            でも、何か学べる点があるはず。

            さあ、めくるめく定型発達者さんワールドへ、あおながご案内いたします。



            ヘルパー休憩室にて。

            ヘルパー1さんの服に糸くずがついている。

            ヘルパー2 「ヘルパー1さん、糸くず・・・。」(と言ってはらいとる。)

            ヘルパー1 (かわいらしく)「えーっ、やっだー!」(注1)

            ヘルパー3 「年をとると、糸くずくらい平気になるのよね。

                 自分で、『やーねー。』とか言ったりして。」

                (ヘルパー3さんは、ヘルパー1さん、2さんの母親くらいの年齢です。)

            ヘルパー2 「ヘルパー1さんは、じょうずだから、年とっても、『えーっ! いやーん!』とかって言いますよね。」(注2)

            ヘルパー1 「え? じょうず? 

                 わたし、これ『地』なんですよ。」(注3)



            (注1) 感情がこもってました。あおなは、常に淡々としか話せません。

                あおなの場合、「糸くずをとっていただき、ありがとうございます。」

                という返答になり、会話はそこで止まります。

            (注2) 「人あたりがよい」ことを「じょうず」といっているようです。

                そういう言葉が、ぱっとでるのがすごい。

            (注3) 「じょうず」という言葉の意味を感じ取り、即座に返答しているのがすごい。



            ちなみに、あおなはこの会話の間、なんて言っていいのかわからないので、ずっと黙ってました。





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            初めての入浴介助

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              初めて、異性の利用者さんの入浴介助を、主になって行った。



              あおなは、言うべきでないことを、つい口走ってしまうタイプらしい。



              何かしゃべりたくなったら、相手はどう感じるか考えてからしゃべろうと気をつけていた。



              ご高齢の方なので、パジャマを脱がせると、あちこちに老人班がある。

              「シミがありますね。」

              と言いたくなったが、これは無論NGとわかるので、黙っていた。

              大きなホクロもある。

              「大きいホクロですね。」

              これもまずい。

              濃いシミがあると思ったら、ケガの痕だった。

              「これはケガの痕ですね。」とも言いたくなった。

              道路で転んだと、以前言っていたな。

              道路で転ぶなんて、恥ずかしいことである。

              ヘルパーに指摘されたくないだろうと思い、黙っていた。




              ホクロから、長い毛がはえている。

              「こういう毛って、宝毛(たからげ)というんですって。福を運んでくれるんですって。」

              これは、言ってもいいかなと思ったが、あおなの考えることは、普通の人とは違うらしい。

              自重しようと思い、黙っていた。



              楽しくお話をするというのも、ヘルパーの仕事なのだが、お話は何もできずに終わってしまった。

              でも、余計なことを言わずにすんで、よかった!



              自分の感性は、普通とは違うことを知っておこう!





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              ママ友とのおつきあいにテレビ番組は必須です! その2

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                ヘルパー休憩室にて。

                昼休みにつきっぱなしになっているテレビに、EXILEのAKIRAさんが写った。

                ヘルパー1 「あっ! やっぱりあの、大河ドラマに出てくる人、EXILEの人だったんだ。」

                あおな 「ああ、ほんとねー。 秀吉の親戚の人でしょう。」



                実は、あおなは顔を覚えるのが苦手なので、はっきり覚えていたわけではない。

                ただ、あおなには、やたら反応が早いという特性があるようで、ヘルパー1さんが言及している男性を推測できた。

                自然な応対ができたと思う。




                日曜日に放映されるNHKの大河ドラマ「江」を、スムーズな人間関係を構築するために見ようと決意して数週間。

                こんなにすぐに、いい結果がでるとは!











                テレビを見るのも、くつろぐためではありません。

                そんなあおなに、ぽちっと一押し。

                        ↓

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                職安

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                  職場の飲み会で、どうやってホームヘルパーの職を得たかという話になった。

                  ヘルパー1     「わたし、職安でこの仕事見つけたの。」

                  あおな         「職安て、今はいわないよ。

                           ハローワークでしょ。」

                  他のヘルパー全員 「そういうことは、つっこまないの!



                  職場内で、あおなに対する共通認識ができているようだった。

                  「容赦なくことばの誤用を指摘する人」という認識が。

                  これから、気をつけよう。



                  もう、職場の飲み会には出たくない。







                  人からの依頼は断れないけれど、

                  人に依頼することは苦手なあおなからのお願いです。

                  クリックをひと押し、お願いします。



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                  「友だちの作り方」

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                    中学校に入学したとき、「中1コース」という月刊誌の定期購読を始めた。

                    ある号の特集に、「友だちの作り方」というのがあった。

                    友だちつくりの苦手な私は、興味を持って読んだ。




                    話すのが苦手な人は、聞き上手になりましょう。

                    誰かが話をしていたら、積極的に話の輪に加わりましょう。

                    話されていることをよく聞いて、質問しましょう。

                    それを繰り返しているうちに、あなたは、熱心に話を聞いてくれる人と思われます。

                    そして、

                    「ねえ、聞いて、聞いて。」

                    と声をかけられるようになります。



                    あらまし、以上のような内容だった。

                    私が中1だったのは、40年ほど前のことだ。

                    40年間、私は「中1コース」の教えを守ってきた。

                    人が話し始めると、

                    「それはいつのこと?」

                    「どうして、そんなことしたの?」

                    などと、話の腰を折る。

                    さぞかし、感じの悪い聞き手だったに違いない。



                    昨年、職場の飲み会で、あおなに対する悪口大会が始まるまで、自分の会話の仕方がおかしいとは思ってもみなかった。

                    人が話をしているときは、静かに聞こう。

                    質問をすると、された人は話の流れがさえぎられたように感じる。

                    また、何度も質問をすると、された人は問いつめられたように感じるものだ。







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                    顔を覚えるための工夫 2

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                      顔を覚えにくいことを、はっきり自覚したのは、公立小学校の非常勤講師になった時だ。

                      あおなは44歳だった。

                      6年生2クラスの算数を教えることになった。

                      しかし、児童の名前が覚えられない。

                      背が高い、太っているなど、身体的に特徴のある子は、なんとか覚えた。

                      その他の「普通の子」はいつまでたっても覚えられなかった。

                      顔と名前が一致しないのだから、授業中、私語をする児童がいても、

                      (誰だっけ?)

                      と戸惑い、注意できない。

                      あおなは学級を統率できず、授業は混乱した。



                      翌年度から、あおなは一年ずつ、違う学校で非常勤講師をすることになる。

                      あおなのとった戦略はこうだった。



                      4月当初に、写真屋さんが学級写真を写す。

                      その写真を購入する。

                      校長室に、学級写真と児童の氏名が書かれたものがある。

                      それをコピーさせてもらい、常に携帯する。

                      暇な時などにそれを見て、児童の顔と名前を頭にたたきこむのだ。



                      しかし、この戦略でも、児童の顔は覚えられなかった。

                      あおなは、この状態を「加齢のため」と考えていた。







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