あおなの住んでいる地域では、子どもが3人以上いる人は、子ども会の役員を2度やらねばならない。
あおなも2度経験した。
あおなは、大学時代、ガールスカウトのリーダーや当時住んでいた地域の子ども会の世話をしていた。
そのあおなからみると、子ども会の内容は貧弱に思えた。
遊びはいつもビンゴ。
ビンゴの景品は、100円ショップで買い集めたもの。
計算できない計算機、消せない消しゴム、すぐこわれるキーホルダーなど、ごみ箱行きになるようなものばかり、とあおなには思えた。
長男が小学校6年のとき、1回目に役員になった。
そのときは、未就園の長女がまだ家にいた。
だから、
「例年と違うことをしよう。」と提案して、
「それなら、あおなさんやりなさいよ。」と言われても困ると思い、黙っていた。
2回目に役員になったときは、長女が6年生のとき。
もう手はかからない。
「じゃあ、あおなさん、やってみてよ。」
と言われても大丈夫だ。
あおなは、思い切って企画書を作り、役員会で提案してみた。
あおな 「ビンゴだと景品がいるけれど、景品がいらなくて、子どもたちが楽しめるゲームを知ってるんだけど、やらせてもらえないかな?」
他の役員たちは、全員賛成してくれた。
あおなは会長と相談しながらプログラムを作った。
必要な役割を考え、押しつけにならないように、6人の役員に立候補してもらうようにした。
あおなの作ったプログラムで、その年の子ども会は大いに盛り上がった。
公民館の中でできるミニ運動会、紙飛行機大会、クッキー作り。
ところが、年度末になって、
役員1 「子どもたちが全員ビンゴがやりたいって言ってるわよ。」
役員2 「子どもたちのやりたいことをやるべきよ。」
役員3 「役割分担なんて、いらないわよね。」
あおな・会長 「本当にだいじょうぶなの?」
年度末の子ども会は、悲惨だった。
「役割分担なんていらない。」と言っていたのに、役員の誰も司会をしようとはしない。
今まで統制のとれていた子どもたちは、公民館の中を暴れまわる。
なんとかビンゴを終了し、おみやげを持たせて、子どもたちを帰した。
そのあと、あおな・会長と他の役員との関係は険悪になった(らしい)。
廃品回収のお金を積み立てたランチ会にも、
「会長さんとあおなさんは、来なくていいで。」
と招いてくれなかった。
あおなは、会長と連絡を取り、常に役員会で全員の賛意を得て行動していた。
しかし、あおなは決定的な誤りを犯していた。
あおなが相談を持ちかけていた会長は、「おもての会長」にすぎなかったのだ。
役員会には、「うらの会長」がいた。
「うらの会長」に相談し、「うらの役員会」で賛意を得ていれば、ランチ会に加われたであろう。
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