利用者さんの涙

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    わたしは明日から、保育の仕事を始めるので、

    ホームヘルパーの仕事をすこし減らしてもらった。

    きょうは、引き継ぎのため、

    倉科さんのお宅へ、これから担当してもらうヘルパー1さんと一緒に行った。

    倉科さんは、80歳代の男性で、妻さんは今老人ホームに入っている。

    妻さんは認知症で、認知症の人はよく歩きたがる。

    妻さんが在宅のときはわたしと一緒によく歩いたものだ。



    倉科さん「あおなさん、どこ行っちゃうの?」

    わたし「どこにも行きませんよ。

    また、おうかがいすることもありますよ。」

    倉科さん「あおなさんには、妻が世話になったねぇ。」



    わたしは、驚いた。

    倉科さんの目に、光るものがあったのだ。

    わたしは、何と言っていいかわからなかったけれど、

    わたし「こちらこそお世話になりました。

    わたしは、力不足でなにもできませんでした・・・。」

    といっしょうけんめい言った。



    倉科さんは、数年間家に来ていたヘルパーの労をねぎらい、

    なみだがでるほど感謝することができるのに、

    わたしは、涙1滴もこぼせなかった。



    自分でも、(わたしにはなにかが欠けてるの?)と思えます・・・。







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    お客様との別れ その2

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      あおなは、実母と同居している。

      母は認知症で、認知症のおもな症状の一つに、被害妄想がある。

      女性は「お金をとられた。」、男性は「妻が浮気をしている。」という妄想を抱きやすいそうだ。

      あおなの母親は、週1回、○○病院へ通院している。

      たまたま、お客様の柿本さんも同じ病院へ通院している。



      あおなは、1年以上柿本さんのお宅にうかがっていたが、急にヘルパー交代になることになった。



      柿本さん夫「さっき、上司さんから電話ありましたよ。

      ヘルパーさん、交代なんですね。」

      あおな「来週から○○ヘルパーがうかがいます。」

      柿本さん夫「あおなさん、昨日○○病院に来てましたね。」

      あおな「あっ! 

      私、気がつきませんでした。

      申し訳ありませんでした。」

      柿本さん夫「いやいや・・・。

      お母さんの車いす押してましたね。」

      柿本さん妻「お母さん、具合どうなの?」

      あおな「それが・・・。

      母、このごろお金を私が盗ったっていうんですよ。

      こういう仕事してるので、認知症の知識が持ててよかったです。

      そうでなかったら、腹がたってしまうでしょうね。」

      柿本さん夫妻「大変ね・・・。」



      作業終了後、

      柿本さん妻「ハンカチ用意したから、受け取って。

      あおなさん、ピンクがお好きだから、ピンクにしたわ。

      あおなさんは、お母さまの介護をよくやっていらっしゃるから、必ず将来幸せになれるわ。」



      ホームヘルパーは、お客様からものをもらってはならない。

      研修でたたきこまれる。

      でも、この時、あおなはハンカチを受け取った。

      そして、

      (ここは、本来なら泣く場面だな。

      泣くふりをしなければならない。)

      と思った。

      ところが、本当に涙が出てきたのだ。

      あおな(泣きながら)「ありがとうございます。」



      数日後、気がついた。

      上司さんが、「断りにくいですよね。」というのは、このことを言うのではないかと。

      あおなは、きちんと仕事をしている。

      でも、他のヘルパーとは違うのではないか?

      他のヘルパーは、ヘルパー交代に際し泣いたり、物を差し出されたら、断れないような人間関係までも構築しているのではないか?





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      お客様との別れ

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        2週間くらい前のこと。

        原さんのお宅へうかがう人が、ヘルパー1さんからヘルパー2さんに交代することになった。

        ヘルパー1さん「今日、原さんの派遣、最後だったんだよね。

        原さんが『別れの歌』を歌ってくれたの。

        私、うるっときちゃった。」



        あおなも、ヘルパー交代をしたことがある。

        調べてみたら、10回あった。

        突然入院されたりした場合以外は、

        「来週は○○ヘルパーがうかがいます。

        お世話になりました。」

        とあいさつしてきた。

        お客さまも、

        「あおなさんに会えなくなるのね。

        さびしいわ。

        今までありがとう。」

        と言ってくださった。



        でも、あおなは泣いたことはない。

        ヘルパー交代で泣く人もいるんだ。

        あおなは、ヘルパー1さんの話を聞きながら、不思議に思っていた。

        (ヘルパーの欠勤などで、またそのお客さまの家に派遣されることもあるのに。

        亡くなったわけじゃないのに・・・。)と。








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        魔法使いサリー

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          「ムーミン」、「おばけのQたろう」、「怪物くん」、「魔法使いサリー」・・・。

          あおなが子どものころ、楽しみに見ていたTVアニメ。

          みんな、人間界の人(?)ではなかった。

          しかし、人間の子どもと同じようなソーシャルスキルを持っていたようだ。

          そうでなければ、視聴者に愛されなかっただろう。



          「魔法使いサリー」にこんなエピソードがある。

          バレーボールの公式試合を見ていたサリーは、負けたチームの選手が泣くのを見る。

          魔法界から来たサリーは、人間というものは、「負ければ泣くのだ。」と認識する。

          体育の時間、ドッジボールで負けたサリーは、「いまだ。」とばかりに大泣きする。

          そして、ヨシ子に、

          「体育の時間のドッジボールでは泣かないの。」

          とたしなめられる。



          他のアニメの内容は覚えていないのに、なぜ、このエピソードだけ覚えているのか?

          子どものころのあおなも、

          「どういう場合に泣けばいいのか?」

          そして、

          「なぜ他の子は泣き、自分は泣けないか?」

          と、不思議に思っていたのではないかと思う。






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