ホームヘルパーは、介護保険法をもとにして働いている。
この法律に則って仕事をすれば、お客様は料金の1割を負担すればいい。
残り9割は保険料から支払われる。
でも、何らかの事情で、料金は全額自分で払うから、ホームヘルパーに来てほしいというお客様もいる。
そういうケースを「自費」と呼んでいる。
上司さん「あおなさん、今日、勝俣さんのところ、自費でやってきて。」
あおな「はい、わかりました。」
上司さん「報告書には、10:00〜10:30って記録してください。
でも、実際には、10:00から11:00まで仕事してきて。」
あおな「?」
上司さん「勝俣さんの家で働いても、デイサービスの手伝いしても、あおなさんのお給料変わらないから。」
年金暮らしの高齢者にとって、「自費払い」と言うのは、大きな負担だ。
「仕事は1時間するけれど、料金は30分でいいです。」というのは、「これからも、ひいきにして下さい。」というサービスなのだが、あおなにはとっさにわからなかった。
上司さん「もし、勝俣さんが時間のことを気にして、何かおっしゃったら・・・。」
(ここで妙な間が空いた。
上司さんもなんといったらいいか、考えあぐねたのだろう。
あおなは、こういう『間』が苦手である。)
あおな「『私のお給料変わりませんから。』っていうんですか?」
上司さん(苦笑して)「いえ、それは言わなくていいです。
『・・・(この部分は省略)・・・。』と言ってください。」
上司さんが苦笑したので、あおなの発言が不適切だったことがわかった。
あおなは、会話の間の「間」のとり方がへたである。
沈黙がわずかでもあると、不安になり、言わなくてもいいことを言ってしまうことがある。
人が話しをするのが待ちきれないのかもしれない。
言葉と言葉の間隔の2,3秒の間が、あおなには数十秒のようにも感じられるのだ。
ペーパーテストのときには有利に働く、反応の速さ。
会話のときには、あまり反応が速いと不快に思う人もいると心にとめておこう。
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